日本市場の株価はバブル期を超えた?

このブログは令和の時代になってから始めましたが、平成の終わりを迎えるにあたり、株価がバブル期を超えた、といった記事がありました。

www.nikkei.com

もちろん、平成の終わりの時点において、日経平均株価はバブル期の最高値の6割弱に過ぎません。では何がバブル期を超えたか、といえば、それは日本市場全体の時価総額です。

少し探してみたのですが、日本市場の時価総額推移のグラフがありませんでしたので、東証の公表しているデータを使用し、日本市場の時価総額東証時価総額とみなして、自ら作成してみました。

なお、比較として用いる日経平均株価は、長期間の時系列データがなかなか見つからず*1、海外のこちらのサイトから取得しました。

さて、さっそく1980年から平成の終わり(2019年4月末)までの、東証時価総額日経平均株価の推移をグラフにしたものが以下になります。

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これを見ると、1998年頃まではほとんど両者は同じように動いていたものが、それ以降徐々に乖離し、今では大きく乖離している様子が分かります。日経平均株価はバブル最高値にまだまだ達していませんが、東証時価総額は2015年5月にバブル期(611兆円)を超え(620兆円)、2018年1月に最高値(710兆円)を付け、平成が終わる2019年4月においても、バブル最高値を超える水準(631兆円)となっています

ではなぜこんなに大きく乖離しているのでしょうか。理由としては、上場する会社数が増加していることが挙げられます。東証上場会社数の推移は以下の通りです。元データはこちら

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株価のグラフが丸くなっていますが、これは参考程度ということで。。棒グラフに着目すると、2000年以降、東証上場会社数は増加傾向にあります。2013年に急増しているのは、東証大阪証券取引所と統合したことによります。これにより社数は大きく増加しましたが、大証のみに上場していた銘柄には大型株が少ないため、株式時価総額への影響は限定的となっているようです。

いずれにしても、日経平均株価は株式市場全体の時価総額とは一致しなくなっています。会社数が増えているのだから時価総額が増えるのは当然で、それ自体に意味はない、という主張をする人もいるかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。従来は、一部の金融株などがバブルで高騰し、日経平均株価を引き上げていましたが、現在では、日経225に含まれないような多くの中堅上場企業が奮闘している、言い換えれば日本の資本市場の厚みが大きく増したことを示しているのであり、良いことだと私は考えています。

とはいえ、令和の時代、それも比較的早いうちに、日経平均株価がバブル期の最高値を超え、史上最高値(4万円超え)を更新することを期待したいと思います。

*1:日経のHPを見ると、日次だと2016年以降、月次でも2000年以降しかデータがありません。