会計人材の転職について

私もちょうど数年前のこの時期に、転職活動を本格的に始めました。なぜ転職をしたのかについては、また別の機会に書ければと思いますが、転職することで、生産性が高くて働きやすい組織に人が集まり、社会の新陳代謝が活性化すれば、この国はもっと豊かになると思います。


この記事は主に以下の方に向けて書かれています。

  • 経理職への転職を考えている方

この記事には以下の内容が書かれています。

  • 実際に転職をした経理マンが考える、会計人材の転職について

転職の思考法

北野唯我著『転職の思考法』(ダイヤモンド社)という本をご存知でしょうか。この本はベストセラーになり、いろんな方が紹介しているので、詳しい紹介は省略しますが、物語形式のストーリーを一読して、最後にまとまっている「ノートまとめ」を繰り返し読めば、転職についての基本的な考え方が身に付くので、おススメです。最近の本であるため、私自身は転職をした後にこの本を読んだのですが、非常に納得感がありました。(実際、この本を妻にも薦めました)

私が特に記憶に残った著者の指摘は、以下の3点です。

  • 20代は専門性、30代は経験、40代は人的資産(人脈)でキャリアを作れ

  • マーケットバリューは業界の生産性に最も大きな影響を受ける

  • 多くの人にとって、心からやりたいことなど必要ない

    • 人間には、「何をするか」に重きをおくto do型の人間と、「どんな人でありたいか、どんな状態でありたいか」を重視するbeing型の人間がいる。99%の人間はbeing型である。だから、「心からやりたいこと」がなくても悲観する必要はまったくない。

会計人材の転職

特に会計関係の仕事についている人であれば、すでに一定の専門性がある時点で、他の一般の転職者と比べて優位に転職活動を進めることができると思います。転職先も様々な業種、規模の事業会社(場合によっては会計事務所も)から自由に選択できるため、自分の興味のある業界を選ぶこともできます。

経理職はいずれAI(人工知能)に代替されるという話をよく耳にしますが、現実には当面の間ありませんので(以下のエントリーでも書きましたのでご覧ください)、当面の間は経理業務ができる人材は引く手あまたです。実際、私の会社でも、スタッフ職、マネージャー職、いずれも採用に苦労しています。

keiri.hatenablog.jp

いまの仕事がもしイヤになっているのであれば、自分に言い訳せずに、転職活動という第一歩を踏み出してみることを強くおススメします。実際に転職するしないにかかわらず、きっと新しい世界が見えてくるはずです。 (私の妻は結局転職しなかったのですが、転職活動を通じて様々なエージェントと話をして自分のキャリアを考えたことは良い経験になったようです)

会計人材の転職活動における注意点

会計人材はスキルに応じて、会社規模にもよりますが、スタッフ、マネージャーからCFOに至るまで、様々な職位への転職に挑戦することができます。会計の専門性は、経理、財務、税務それぞれの領域である程度明確にスキルが定義されているので、自分の足りないスキルが明確です。すでに経理職として働いているのであれば、転職を繰り返して、常に自分に合ったステージに身を置き、新たな専門性(スキル)を身につけ経験を積むことで、キャリアをステップアップしてくことも可能で、実際に推奨されてもいます。

これは、どの業界でもかならず必要となる専門性を持つ、会計人材ならではの強みであり、特に経理職で働く人はこういった考え方をどんどん取り入れていくべきだと思います。一方で、「会計人材はどうせすぐにキャリアアップを目指して転職する」と世間から思われているのも事実です。

事業会社への転職を目指すのであれば、自分のキャリアアップやスキルセットのことばかりではなく、「なぜその会社で働きたいのか?」「その会社のミッションに本当に共感しているのか?」といった根本的な問いについてよくよく考えてから、採用面接に臨むことをおススメします。